刀 銘 月山正信作 永正二年八月吉日
かたな めい がっさんまさのぶさく
概要
姿は平造り、庵棟、身幅広く大振りのしっかりした平造りで、永正裏銘あり、健体の刀姿が珍しく貴重で豪快な姿である。地鉄は綾杉肌(月山肌)の大波文様と渦巻を交えた技巧的模様、表裏と肌にそうてあざやかな綾杉刃文状の映りが出ている。刃文は直刃基調、小のたれ、互の目足も入る。匂口締まり、小沸つく。物打ちあたり砂流しよく入る。帽子は表、直に大丸ごころに返る。裏、突き上げごころ少しく尖って返る。茎は、鑢目、勝手下がり、目釘孔2ツ、茎尻刃上がり栗尻、銘茎目釘孔下中央、月山正信作 裏 同様永正二年八月吉と古雅の銘である。
刀匠月山正信は、永正・大永頃の月山刀工であり、室町中期永正2年(150年)の裏銘の年記は誠に貴重である。また、2尺3寸近くの刀で平造りであることも珍しく、身幅も広く豪快な姿である。月山特有の綾杉肌にあざやかな表裏の映り、砂流し、また地鉄、刃文に働きがあり、500年の歳月を経た保存誠によく健体である。
本間順治著「奥州刀」にも掲載、月山の流派の特長をそなえ、すぐれた世上名のある月山刀である。
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