フナダハン(船霊様)
ふなだはん(ふなだまさま)
概要
船の守護神であり、航海の安全を祈願するために船内に祀られたのが船霊(船玉・船魂)である。弁才船など近世の廻船では、造船儀礼のうち船体が完成した際に行われる「筒立祝」において、帆柱を支える筒と呼ばれる太い柱にあけた穴に夫婦雛、かもじ、麻、五穀、サイコロ、銅銭などの御神体を納めた。こうした船霊信仰は全国的に広い範囲で行われており、漁船においても豊漁や航海安全を願って夫婦雛やサイコロを筒に収める例が各地で見られる。
富山県内では、バイセン(北前船、弁才船)建造の際に、船大工が二つのサイコロを船玉様として筒の部分に納めたという。また、弁才船の水押に取り付けられている黒い縄飾り「下がり」のことを、「船魂」あるいは「船玉」といい、船に神を祀っている印としたともいう。だが、近代以降の漁船に御神体を納める例は確認できない。バイセンには船霊信仰の存在がうかがわれるものの、日本海沿岸の多くの地域同様、富山湾では御神体を納める船霊信仰は希薄といわざるを得ない。
一方、富山県内の漁村にわずかに残る船霊信仰として、新湊(現、射水市)に色濃く残る「船霊まつり」がある。新湊では、「船霊まつり」(起舟)の2月11日、藁を編んで自船の模型を作り、家の大広間に吊るして祀った。この藁製の船型がフナダハン(船霊様)である。この日には、豊漁や航海安全を祈願するため、船乗りや漁師が船主、網元の家へ集まり、フナダハンの前で祝宴を催したという。
氷見市立博物館では、フナダハン2点を所蔵している。写真左は弁才船を模したもので船首側に積載されたテンマや弥帆も再現されている。右は漁船を模したものとみられる。
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