豊村酒造旧醸造場施設 古酒倉(北)
とよむらしゅぞうきゅうじょうぞうじょうしせつ こしゅぐら(きた)
概要
津屋崎の港町に位置する大規模な醸造施設群を備えた酒造所。豊村酒造は明治期に当地で創業し、事業拡大とともに住居や醸造施設を増築、大正末期頃までに整備された建物が概ね完存する。主屋は博多の大工が手掛けた大規模な町家で、明治20年の建築。広い土間に見せる曲がった丸太を縦横に組んだ豪壮な梁組や、吹き抜けの二階に高欄や神棚を設ける取次など福岡市近辺の町家の特徴を示す。仕込庫など9棟の醸造施設は明治期から大正期の建築で、大胆な架構により柱を省略し、広大な内部空間をつくる。漆喰塗りの大型町家を正面に構え、大規模な土蔵を外郭に連ねる重厚な建築群が、酒造所の最盛期の姿を現在に伝えている。