加藤嘉明書状
かとうよしあきしょじょう
概要
加藤嘉明が、腹の病に見舞いの使者を遣わされ、鰹一折を贈られたことに謝意を述べ、延寿院(曲直瀬玄朔、二代目道三)の薬で本復したので安心してほしいこと、養生のため引き籠っていたが4・5日中には伺公かたがた御礼を申し上げることなどを伝え、とても配慮をいただきかえって迷惑ではないかとの気遣いを示して締めくくった礼状。宛先部分欠損のため受給者は不明だが、丁重な御礼と丁寧な敬語表現、「恐惶謹言」の結語などからは、敬意を払うべき上位者が想定され、「伺公」した時の御礼という表現から、幕府関係者の可能性がある。嘉明と曲直瀬玄朔は、灸などの治療を受ける間柄でもあった。幕府関係者らしき人物から気遣いを受け、幕府と関わり深い医師から処方を受ける姿からは、豊臣大名加藤嘉明の徳川期における幕府関係者との交流、人脈形成の一端がうかがえる。
所蔵館のウェブサイトで見る
愛媛県歴史文化博物館