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名所江戸百景・猿若町よるの景

概要

名所江戸百景・猿若町よるの景

絵画

 19世紀初めに活躍した絵師、歌川広重の最晩年の代表作「名所江戸百景」シリーズの、目録含め120枚のうちの1枚です。
 大きな満月が空にかかり、夜の景色と分かります。人々のあしもとには、月明かりに照らされてできた影が落ちています。遠近法により、画面左奥に向かってどこまでも続くまっすぐな道が表現されています。
 ここは猿若町。現在の東京都台東区浅草6丁目付近です。このあたりには幕府の意向で芝居小屋が集められたそうですが、たしかに道の右側、一番手前に「森田座」という文字が確認できます。この通りには、森田座、市村座、中村座という3つの芝居小屋が並び、その向かいには芝居茶屋もあり、たいへん繁昌していたそうです。
 明るい月のほかにも、室内から漏れる明かりや人々が持つ提灯など、夜景の中にも明暗のコントラストを作り出すモチーフが散りばめられ、終わることのない夜の街の喧騒が伝わってくるかのようです。

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