古文書手鑑
こもんじょてかがみ
概要
江戸時代・18世紀前半頃に長府藩主毛利家で作製され同家に伝来した、全78葉を収める手鑑。鎌倉幕府発給文書を主とする鎌倉時代の古文書20通、南北朝~室町時代にかけて周防・長門を本拠とした守護・戦国大名大内氏の発給文書38通、室町~江戸時代前期の禅僧による墨蹟12葉、その他室町幕府発給文書1、連歌懐紙1、伝張即之書2、朝鮮通信使書1、連歌切1、古筆切1、詩懐紙1からなる。特に宗像社領小呂嶋をめぐって宋商人・謝国明の名が登場する関東御教書や、蒙古襲来に際して石見の御家人に防戦のため下向を命じた関東御教書は貴重である。38通の大内氏発給文書は南北朝時代から弘治3年(1557)の滅亡まで歴代当主を網羅し、各文書の資料的価値とともに稀少性が高い。