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銅製経筒

どうせいきょうづつ

概要

銅製経筒

どうせいきょうづつ

考古資料

出土地:伝福岡県糸島市雷山

平安時代 12世紀

青銅製

総高26.5 筒身:高18.5 口径6.0 高台径8.0 蓋:高8.2 径 9.6

1合

経筒は、仏教の末法思想が流布した平安時代末期に、仏の教えを後世伝えるために行われた「埋経」に使われた経典の容器である。本例は青銅製で、蓋には相輪型の鈕が付き、筒身の口縁、中央部、底部付近には節を意識した突帯が配され、底部には鏡がはめ込まれ、台座は花弁形に作り出される。筒身には中央の突帯を境に上段・下段に分けて線刻銘があり、上段には「□□国怡土郡□山千如寺」、下段には「僧行□」など結縁衆と考えられる6名の僧のの名前が認められる。「怡土郡□山千如寺」は鎌倉時代、現在の糸島市雷山に所在した「千如寺」と推測され、同山が位置する脊振山系からは他にも多数の経塚が見つかっている。銘文は上下段で筆致や刻んだ工具に大きな違いが認められ、上段は埋経の法会に関わる銘文、下段は経筒制作の発願者の可能性が考えられる。

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