袁枚像 羅聘筆
エンバイゾウ ラヘイヒツ
概要
羅聘(一七三三ー九九、号は両峯、江蘇揚州の人)は、金農の高弟で、師の画風を発展させ、花卉・人物・道釈の分野で特異な作風を展開した。揚州八怪の一人に数えられる。本図は、当時の文壇の巨匠、袁枚の姿を写したもの。その毒々しいまでに怪異な人物描写は、彼の名を高めた妖怪画、鬼趣図に一脈通じ、現代の風刺的似顔絵にも負けない迫力を持つ。図上の袁枚の題によれば、かまたきや物売りの老人に似たみすぼらしい姿のこの画像を、袁枚の家族は喜ばず、ついに羅聘が引き取ることになったという。羅聘の代表作であるばかりか、中国肖像画の展開の上でもきわめて重要な作品である。