石造如来頭部-龍門石窟-
セキゾウニョライトウブ-リュウモンセックツ-
概要
中国河南省の洛陽郊外にある龍門石窟は、北魏の洛陽遷都以降に造営がはじまり、唐時代にも活発な造像が行なわれた。奉先寺洞はその代表的なもので、本尊の盧舎那仏は上元二年(六七五)に開眼供養された。本尊脇には、玄宗皇帝期(七一二~七五六)に追刻されたと考えられる四九躯の如来立像があり、本像はその頭部とみられる。唐時代はインド・グプタ朝の影響を受け、写実的、肉感的な表現が全盛となるが、本像の充実した量感や細部の的確な表現は、この時代の特徴をよくあらわしている。