シーギリヤ石窟壁画・アプサラス(天女)像模写
シーギリヤセックツヘキガ・アプサラス(テンニョ)ゾウモシャ
概要
杉本哲郎(1899~1985、本名:哲二郎)は、滋賀県出身、山元春挙に師事し、京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)を卒業したが、後に画壇と距離を置き、インド古代仏教美術に範をとり、宗教美術において一家をなした。本作品は、杉本が、昭和12~13年にかけて、遺跡所在国の許諾を得た上で行ったインドのアジャンタ及びスリランカのシーギリヤ壁画の模写である。 アジャンタ壁画は、第一窟のパドマパーニ(蓮華手菩薩)とその周囲のミトゥナ(男女抱擁像)、及び第十七窟柱守護神像を模写しており、ニスによる原品修復以前の面影を伝える。シーギリヤ壁画は、シーギリヤ・ロックという岩山の中腹にあり、カッサパⅠ世(在位477~495頃)の王宮の遺構の一部とみられ、外国人では世界初の模写であり、後年の損傷以前の状態を伝えている。