文化遺産オンライン

小玉貞良筆 蝦夷国風図絵

こだまていりょうひつ えぞくにぶりずえ

概要

小玉貞良筆 蝦夷国風図絵

こだまていりょうひつ えぞくにぶりずえ

日本画 / 江戸 / 北海道

北海道函館市

江戸時代

巻子本1巻

縦28㎝×横978㎝

1巻

北海道函館市五稜郭町26番1号 函館市中央図書館

指定:昭和37年11月3日

函館市

函館市指定有形文化財

絵師小玉貞良、雅号を龍(竜)圓斎または玉圓齊と称する。松前生まれとされ、宝暦年間(1751~1764)に松前藩邸出入りの町絵師もしくは松前藩お抱えの絵師と推定されているが、生没年、経歴等は不明である。小玉貞良は、「松前江差屏風」に代表されるように蝦夷地の風俗画を能くし、特に奉納扁額「アイヌ熊狩図」などにみられるようにアイヌ風俗を描いた絵師として最初に登場する人物である。現存する貞良落款を有する資料は十数点数えられており、「蝦夷風俗画巻」中の『竜圓斎貞良行年七十二翁』筆跡に認められるように少なくとも70歳代まで貞良の画業をたどることができる。
この作品は無款で伝小玉貞良とされているが、魚釣り、昆布採り、昆布干し、熊送り儀礼、ウカル(メッカ打ち)」、松前藩主へのウイマム(御目見得)の絵図が収められ、18世紀中頃のアイヌの人々の生業、儀礼や松前藩との交易の様子が鮮明に描かれ、松前藩主への当時の松前藩とアイヌの人々との関わりを象徴的に表現している数少ない記録である。
これまで、この図絵はアイヌの人々の風俗の様子を描いた現存する最も古い記録画の一つとされてきたが、近年貞良筆の落款を有する「蝦夷国風図絵屏風」、「蝦夷絵」等との比較研究が進み、貞良の作風をよく伝える写しの一つとされている。

関連作品

チェックした関連作品の検索