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色絵花卉図大皿

いろえかきずおおざら

概要

色絵花卉図大皿

いろえかきずおおざら

陶磁 / 江戸

伊万里

江戸時代・18世紀

磁製

高6.2 口径57.0

1枚

 径が57センチをはかる大型の磁製の皿です。中央の部分は丸くくぼみ、帽子のような形をしています。内側のデザインをみてみましょう。中央には丸い区画を設け、牡丹(ぼたん)ふうの花をいけた花瓶を描いています。周縁は4本のジグザグの線で4区にわけ、2区には中央と同様の花を描きます。他の2区は中央に窓を配して椿(つばき)のような花を描き、区画の地には菊の花を散らしています。文様は空間を埋め尽くすように大きく描かれ、白地に藍、緑、赤などの対比が鮮やかです。ところどころに使われている金彩がいっそうの華やかさを演出しています。このように色絵に金彩を交えた磁器を、「金襴手」(きんらんで)といいます。この技法はもとは中国で生まれ発展したものです。
 日本で磁器が生産されるようになるのは、佐賀県の有田地域で、磁器に適した土が発見された17世紀初めのことでした。17世紀の中ごろ、中国から色絵磁器の技法が伝わり、有田地域一帯に色絵磁器の生産が広まります。製品は佐賀県西部の伊万里(いまり)の港から船に積まれて全国に販売され、やがてはヨーロッパなど海外にも輸出されて、人気を博しました。それらは、輸出された港の名前から「伊万里焼」と呼ばれます。伊万里では18世紀以降、中国・明の金襴手を手本とした製品が盛んに作られ、伊万里焼を代表する様式となりました。この皿も大きさと形、技法とデザインからみて、ヨーロッパ輸出用に作られたと考えられます。

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キーワード

磁器 / 伊万里焼 / 伊万里 / 色絵

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