彫器
ちょうき
概要
旧石器時代の終わりになると、道具を作る技術が高度になり、そのメンテナンスの仕方もシステム化されていきます。この石器は彫器(ちょうき)といい、狩りに使う槍などを作るための工具です。加工されたエッジを刃のように使って削る、つまり現代でいう小刀のような役割をしていたと考えられています。当時の槍は骨や角で作られた槍先の側面に溝を彫って、石器を埋め込む植刃槍(しょくじんやり)でした。彫器はその槍の先端をとがらせたり、柄の部分を加工したりするために使われました。
彫器に使われる頁岩(けつがん)は硬く割れにくい石ですが、それでも使っているうちに刃がなまってきます。しかし、なまった刃の部分を薄くはぎとれば、新たな断面を鋭くエッジのきいた刃として再利用できます。こうして刃を更新することで、繰り返し長く使うことができ、槍のメンテナンスも効率的に行えました。槍や工具をメンテナンスしながら、食糧を求め移住していた人々の様子がみえるようです。