中国図
ちゅうごくず
概要
アントウェルペン(アントワープ)の地図業者ホンディウスが、メルカトールの銅版を引き継いで作成したヨーロッパ製銅版中国図。1606年刊行の地図帳に収載された。
中国のみならず、日本・朝鮮を包括的に描く初期の地図として貴重。日本・朝鮮のかたちはおおむねオルテリウス系のそれを踏襲している。海上には、ヨーロッパ船やジャンク船が描かれ、中国にはマルコポーロの記述を参考にしてか帆で走る車を描いている。朝鮮は島のように描かれるが、そこには「半島であるかもしれない」という注意書きが見える。イエズス会宣教師が処刑されている図もあり、当時のヨーロッパでは、アジアが野蛮な地域としてイメージされていたことが良く分かる。