鏡形石製品
かがみがたせきせいひん
概要
鏡をうつした石製模造品2点である。1点は鈕を表すが穿孔時に上部が破損したらしく改めて孔をあけ直している。背面は側縁を打ち割って成形するが剥離面がきれいに成形できず残っている。もう1点は中央が肥厚し側縁が尖って終わる凸面鏡をうつしたものである。鈕は長方形で、中央に両面穿孔で鈕孔を表現する。鏡形石製品は5世紀前半に鏡を忠実に模造したものが副葬品に登場し、古墳だけでなく祭祀遺跡での儀礼でも用いられる。その後、有孔円板のように鈕を省略した形式化が進んだものが登場し、古墳時代の祭祀儀礼で普遍的な祭器の品目になる。