若狭国鎮守神人絵系図
ワカサノクニチンジュシンジンエケイズ
概要
巻首の一部(一宮の垂迹の場面)を失っているが、前半に若狭彦若狭姫二社の創立の縁起を描き、つづいて2神鎮坐の時から、この神社の神職を継承した節文以下の笠氏歴代の肖像を描く。この肖像が、初代節文を神、2代俊文を人というように、奇数代には背障礼盤を描き添えて神、偶数代には上畳のみで人として、神人相対するように描いていることから「神人絵系図」の名がある。 縁起絵の部分は連続した画面で、要所に説明の文字を入れる古い形式を残し、清澄な彩色と素朴な線描に特色がある。肖像のうち、前12代は鎌倉時代の制作になり、細線重ね書きの似絵の筆法で描かれているが、これに続く部分は江戸時代に補加されたものである。