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禾目天目

のぎめてんもく

概要

禾目天目

のぎめてんもく

陶磁 /

中国・建窯

南宋時代・12~13世紀

陶製

高7.0 口径12.2 高台径3.9 重量287.1

1口

これは茶を飲むための碗です。
黒地に茶褐色の細い線が無数に流れているのを、稲穂の先にある毛に見立てて禾目天目(のぎめてんもく)と呼んでいます。
中国では、この文様をウサギの毛並に見立てて、兎毫盞(とごうさん)と呼びました。
天目とは、中国浙江省(せっこうしょう)と安徽省(あんきしょう)の境にある天目山から付けられた名前です。
当地の禅寺で使用されていた茶碗を、鎌倉時代に日本人留学僧が持ち帰ったことによるといわれています。
黒い釉薬、すり鉢のような形、茶碗の縁を内側に一度絞ってわずかに外に反る鼈口(すっぽんぐち)が一般的な天目茶碗の特徴です。
鎌倉時代、日本にはたくさんの天目茶碗が輸入されました。
よほど日本人の好みにかなったのでしょうか、室町将軍家では曜変(ようへん)、油滴(ゆてき)、禾目など細かく分類され、格付けまで行われました。
そして、これらの茶碗は現代まで伝えられ、国宝や重文に指定されているものもあります。
しかし、本家の中国では黒い茶碗はすでに13世紀にすたれ、その後は日本からの求めがあると、使い古しのアンティークを集めて輸出をしていたようです。
日本人が愛する天目茶碗の魅力はなんといっても光の加減で表情が変わること。
本来は手に取って角度を変え、じっくりと眺めたいところですが、それはかないません。
展示室では上下左右に見る角度を変えて、その表情をお楽しみください。

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キーワード

天目 / 禾目 / 茶碗 /

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