黒書院一の間北天袋北より1・2
概要
一の間は上段の間とも言う。将軍による内々の諸行事の際に用いられ、小広間のような役割を果たしていた。床貼付には松の老木を中心に、柴垣や紅梅、嶋鵯等の小鳥が描かれる。松の幹や柴垣にはうっすらと雪が積もっており、肌寒さの残る早春の情景が表現されている。違棚背後の貼付は床貼付から連続した図様となっており、柴垣に蔦、青竹が描かれる。部屋の正面に松竹梅による吉祥のモチーフを選んでおり、この間の華やかさを表している。長押上壁貼付は金の雲形に包まれた山が見えており、この画面は一の間東側の画面へと続く。
(注)左側の民家を中心に、漁船の浮かぶ水辺が水墨によって描かれる。この図様は一の間東側に続く天袋小障子絵と、対応した構図となっている。
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