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群鳥文兵庫鎖太刀 刀身銘 一(上杉太刀)

ぐんちょうもんひょうごぐさりのたち とうしんめい いち(うえすぎたち)

概要

群鳥文兵庫鎖太刀 刀身銘 一(上杉太刀)

ぐんちょうもんひょうごぐさりのたち とうしんめい いち(うえすぎたち)

その他 / 鎌倉

福岡一文字派(刀身)

鎌倉時代・13世紀

1口

国宝

 太刀という左腰に下げる長い刀身とこれを収める刀装です。鎌倉時代の13世紀に誂えられ、静岡県の三嶋大社に長く伝来しました。上杉氏が奉納したことから「上杉太刀」と呼ばれています。明治20年(1887)に明治天皇に献上され、現在は当館が所蔵しています。刀装は、鞘に漆で細かい金粉を蒔きつけたものを塗り、つがいの鳥の文様を少し立体的に浮かび上がらせています。銀の金具には群れをなした鳥があらわされ、そのポーズは一羽一羽異なり変化に富んでいます。豪華な素材、精緻な技術、巧みな文様の表現は、日本の刀装のなかでも屈指のものでしょう。中身の太刀は、「一」と切られた銘から、その作者が13世紀に岡山県東南部で栄えた、一文字派という流派の刀工であることがわかります。日本刀は古くから大切にされてきましたが、刀装は実際に用いられるなどして破損し、後世に作り替えられる場合がほとんどです。しかし、上杉太刀は、13世紀につくられて以来、ほぼそのままの形で今に伝えられた貴重な作品です。

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