活人形聖観音菩薩立像附衣装及び蓮台
いきにんぎょうしょうかんのんぼさつりゅうぞうつけたりいしょうおよびれんだい
概要
来迎院に伝わる松本喜三郎作の活人形である。本像は見世物興行のための活人形としてではなく、初めから来迎院に納めることを目的に製作されたものである。高い彫刻技術によって穏やかな表情や柔らかな質感が表現されている一方で、衣装などで隠れる躰部などが極端に簡略化されたり、耐久性のない藁紐や和紙、竹の輪などが利用されたりするという活人形に見られるような特徴が見て取れる。このことは彫刻的な技量と活人形師としての技術の混在を示しており、松本喜三郎ならでわの特徴である。
以上のように熊本を代表する活人形師松本喜三郎の最晩年の作品であり、仏像彫刻と活人形制作技術を詰め込んだ集大成というべき作品である。