南海山地蔵寺「六道絵」「浄土図」
なんかいさんじぞうじ ろくどうえ じょうどず
概要
南海山地蔵寺に伝来した本作は、地蔵寺が無住となった後、常照院にて保管され、祭礼の折のみ地蔵寺の堂内に掛けられていた。現在は高浜市へ寄贈され、高浜市やきものの里かわら美術館で保管されている。本作は「地獄極楽の絵巻物」と呼ばれて伝来し、一幅に六道の情景を、もう一幅に浄土の情景を描く。
本作品には寛政二年本『和字絵入往生要集』(1790)からの影響が見て取れ、制作時期は1790年以降となる。また、「南海山地蔵尊御絵」との表書が気になるものの本作品を収納する箱の箱裏には「文化十三年(1816)丙子五月上旬出来」とあり、本作の制作時期自体はこの墨書の示す時期と大きくは隔たらないと考えられる。