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アルベルト・フォラステールの肖像

概要

アルベルト・フォラステールの肖像

絵画 / 油彩画 / ヨーロッパ

ゴヤ・イ・ルシエンテス、フランシスコ・デ  (1746-1828)

1804年頃

油彩・キャンバス

45.9×37.5

額装

スペインの首席宮廷画家フランシスコ・デ・ゴヤは、モデルの内面に肉薄し、その心理をも描出する卓越した肖像表現をもって、貴族や政治家、軍人などの肖像画を数多く手掛けた。本作もその一点。
 ここに描かれているアルベルト・フォラステール(1737-1820)は、スペイン国王の近衛兵や騎兵隊長などの重要な役職を務めた軍人。ポルトガルとのオレンジ戦争(1801年)にも参加している。ただし、際立った武勲は見られず、フォラステールが出世できたのは、国王の寵臣マヌエル・ゴドイと親交を結び、その力添えを得られたことが大きい。ゴドイはゴヤの有力なパトロンでもあったので、首席宮廷画家の手による肖像画を得る恩恵にも与ることができた。
 軍服をまとい、口を堅く結び、こちらをねめつけるフォラステールの尊大な態度には、内面の虚栄心が透けてみえるようである。一方、やつれて、しわが目立つ容貌はどこか頼りなく、弱々しい。ゴヤの筆さばきは老兵の複雑な心情までも露わにしている。

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