写経断簡「仏母大孔雀明王経(巻第二)」
ぶつもだいくじゃくみょうおうきょう
概要
「仏母大孔雀明王経」
仏母大金曜孔雀明王経、大孔雀明王経、孔雀経ともいう。
【成立】
僧伽婆羅の訳した梵本テキストが成立した3世紀頃からそれ以後の成立と思われる。
【内容】
3巻。釈尊らが舎衛城のジェータ林に住していたとき、毒蛇に咬まれた吉祥比丘のために、釈尊が阿難に大孔雀明王陀羅尼を授けて、吉祥比丘を救護せしめたという説話を中心とし、そこに、雪山の南縁に住していた金色孔雀の王(実は釈尊に他ならない)が、愛欲に耽る隙に猟師に捕えられたが、陀羅尼を誦することによって難を逃れたという本生譚を挿しはさんで、孔雀明王陀羅尼の功徳を敷衍するものである。
【後世への影響】
いわゆる孔雀経といえば本訳を指し、日本において孔雀経法は、鎮護国家の大法として盛んに修められた。
【関連経典】
仏説大孔雀明王画像壇場儀軌・孔雀王呪経・仏説大孔雀呪王経・孔雀経音義
大蔵経全解説大事典(1998年)より抜粋