三彩南北アメリカ大陸図大皿
さんさいなんぼくあめりかたいりくずおおざら
概要
宝暦年間(1751~63)、平賀源内(享保13~安永8年[1728~79])の指導のもと、志度(現在の香川県さぬき市)で製作された源内焼の地図皿。見込みの中心にコンパスローズ、その周囲に南北アメリカ大陸図が型押しによって表されます。六稜型の縁には、幾何学文様とともに、十二支方位が同じ技法で施されている。対となるユーラシア・アフリカ大陸図を施した六稜形、及び円形の作例も確認されています。
源内焼地図皿の原本は、『唐土訓蒙図彙』巻之二に収載される「山川輿地全図」であることが明らかになっています。本作は、原本に比べて地名表記が少ないものの、下部に位置する「墨瓦蠟泥加」を、「空瓦蠟泥加」と誤記する点は共通しています。一方、左部に配された「大東洋」の表記は、原本の「東大洋」から修正を加えているなどの差異も確認できます。高台内の無施釉部分には、焼成時の窯道具の使用痕と思われる3点の円形痕が残ります。緑の釉薬を基調としながら、黄や紫の釉薬を大陸に用いた大胆な色彩が冴えわたる作例です。
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