武知家住宅(徳島県名西郡石井町) 東藍床
たけちけじゅうたく(とくしまけんみょうざいぐんいしいちょう) ひがしあいどこ
概要
武知家住宅は,藍製造で繁栄した吉野川下流域で最大級の藍商の住宅である。広大な敷地の中央に主屋を建て,主屋の周囲を藍生産のための藍床などの附属施設で囲み,東側に通門を構える。
主屋は文久2年(1862)に建てられた大規模な建物で,当地の伝統的民家形式を基軸としつつ,二重の本瓦葺屋根や雄大な式台玄関,広く上質な座敷など,高い格式を備え,接客空間を充実させた発展形態を示している。敷地には江戸時代末期から明治前期に整えられた藍の寝床や附属設備など,藍の生産に必要な建造物群を含む豪壮な屋敷構えがほぼ完存している。当地域の藍屋敷を代表する大型の近世民家として価値が高い。