消息 大僧正宛 「こん日上様」
しょうそく だいそうじょうあて こんにちうえさま
概要
徳川家康の側室、於勝の方の折紙消息である。「こん日上様(家康)御機嫌よく御本丸へ云々」御機嫌・御気色など、家康の健康への気配りの言葉が所々に見え、最晩年の様相が伺われる。宛名の大僧正は江戸寛永寺開山天海で、元和二年(一六一六)に大僧正となっており、家康はその年四月十四日に没しているから、この消息の書かれた時代がおのずから明らかである。
(『名筆へのいざない―深遠なる書の世界―』海の見える杜美術館2012 解説より)