竹林寺書院
ちくりんじしょいん
概要
竹林寺は高知市街東方に所在する真言宗寺院で四国霊場の札所として知られる。江戸時代には土佐藩主山内家の祈願寺として興隆した。
書院は文化13年(1816)の建築で,6室を配した主体部の南面と西面に広縁を廻した形式とし,東面に玄関が取り付く。内部は背面西側の上段の間に床、棚、付書院を構え,背面中室では側方に床を設えて後方の庭園を臨む座敷とする点に特色がある。
竹林寺書院は,建立年代が明らかで四国地方に希少な近世の書院建築として貴重である。土佐地方に特徴的な細部意匠を持つ上段の間を構え,庭園鑑賞を意図した開放的な裏座敷を持つなど,藩主祈願寺としての特質や地方的特色も併せ持ち,高い価値が認められる。