アマミクヌムイ
あまみくぬむい
概要
アマミクは琉球開闢(かいびゃく)神話にまつわる琉球国の国土創生神で,琉球王府が編纂を命じた歌謡集『おもろさうし(おもろそうし)』,琉球国の正史である『中山世鑑(ちゅうざんせいかん)』など4つの史料に登場する。神話は,天上界の主神である天帝の命により,天上から降臨したアマミクが順を追って御嶽を創造し,琉球国土の起源となったと伝える。それらは,沖縄本島及びその周辺の島において,今もなお独特の地形・植+U17生から成る聖地としての良好な風致景観を伝える。開闢神話にまつわる御嶽は13か所から成り,今回はそのうちの条件が整った2か所を指定する。
「今鬼神ノカナヒヤフ(テンチジアマチジ)及びこはおの御嶽(クバの御嶽)」は,沖縄本島北部西岸の本部半島の北辺に位置する今帰仁(なきじん)グスク及びその南方の小丘に所在し,『おもろさうし』の歌謡がそれらを崇める今帰仁グスクの按司(あじ)を誉め,聖地としての風致を豊かに謡い上げた2つの御嶽である。
「久高コハウ森(久高のフボー御嶽)」は,沖縄本島南部の知念半島沖に浮かぶ久高島にあり,琉球王府が国家的に重視していた御嶽で,固有の地形・地質及び植生が幽邃(ゆうすい)な聖地としての風致を伝える。