打裂羽織
ぶっさきばおり
概要
打裂羽織は、乗馬や帯刀の便のため背の縫い合わせが中ほどまで開いたままになっている羽織で、背割羽織などとも呼ばれる。
この資料は単の薄羽織ながら、背に金糸の縫い取りがある3つの家紋及び飛龍の刺繍が配され、襟にも装飾が施されている。こうした意匠や石帯(写真左下)が付属することから、火事羽織ではないかと考えられる。
『近世風俗志』(喜田川守貞筆/1837年~江戸末期)には「火事羽折の背の下裂きたる物、多くは縫い目の所に種々の形を縫製等にして切り付けたり。けだし、その上下のみを羽折に縫い付けて、その間を石帯を通し前に結ぶなり。」とある。この資料でも、飛龍の飾りは上下のみが縫い止められている。
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