阿波木偶「三番叟まわし」
あわでこさんばそうまわし
概要
阿波木偶「三番叟まわし」は,4体の木偶(千歳,翁,三番叟,えびす)を二つの木箱(山間部では行李)に入れて移動し,民家で門開け神事を行う祝福芸で,人形遣い1人,鼓打ち1人または2人が一組となって行う。千歳・翁・三番叟をまわす「式三番叟」で天下泰平,五穀豊穣,家内安全,無病息災を祈り,「えびす」が商売繁盛を予祝する。保存団体である「阿波木偶箱まわし保存会」は,最後の三番叟芸人といわれた旧三好町の男性に師事し,男性の死後,旦那場や技術,道具類を受け継ぎ,伝統的な三番叟まわしを継承している。
「阿波木偶箱まわし保存会」は平成26年現在,県内各地で900軒を超える門付けを行っている。加えて,農家での鍬初め,藍商家での「帳場祈祷」,製藍所での「寝床祈祷」,新築の際の地鎮祭など「三番叟まわし」による祈祷を行っている。一方,受け入れ側は神事として捉え,祝儀として,現金の他に,昔ながらのお米・お餅・果物等を手渡すこともある。