一行書 雪中深
いちぎょうしょ せっちゅうしん
概要
松平不昧は、武家茶湯と称される石州流の茶人大名、出雲松江の藩主、名は治好、のち治郷と称した。藩政改革に治水や河川改修・新田開発、また各種殖産にも及んだ。少年時代から茶道に励み、茶道を修身治国の資たるべしと説いている。茶道の名物も収集し、その収蔵品を「雲州蔵帳」と呼ぶ。本幅は雪深い出雲を連想させる手慣れた筆蹟で、書風は遠州流を引き継いだ特色のある名筆である。
(『名筆へのいざない―深遠なる書の世界―』海の見える杜美術館2012 解説より)