五料の水神祭
ごりょうのすいじんまつり
概要
水神祭は麦わらで製作した大きな舟を地区内で巡行した後、河原から利根川に流し、水難
除けや無病息災を祈願する行事である。祭りの特色は、「水神丸」と称する全長約7メート
ル、幅約1メートルほどの麦わら舟の製作と、この舟を川に流すことにある。
舟は竹の骨組に麦わらの小束を縄で括りつけながら仕上げ、カヤもしくはチガヤで屋根を
葺き、提灯を吊し「水神宮」の標示を取り付けた屋形を備える。また各部にはチガヤや麦わ
らで作られた舵や錨などを取り付け、水神丸と書かれた幟を立てる。舟の製作は、五料の1
~4号区から選出された総代2名・指揮官4名ずつの計24名(世話役)及び長年の経験者で
ある指導者、後継者数名によって行われる。4年の任期を務めた指揮官の中から数名が後継
者とされ、毎年舟の製作に携わることで、技術を習得、継承している。
祭礼当日は飯玉神社での祭典後、夕方から麦わら舟が五料地区内を巡行する。かつては船
頭が、終戦後間もない頃は青年が舟を担いだが、昭和50年代からは子どもたちがリヤカーに
乗せた舟をひいている。現在は五料子ども会育成会の児童が協力している。
行列の到着を待つ五料の人たちは、舟の中にキュウリやスイカ、ナスなどの季節の野菜を
供え、子どもが持つ賽銭箱に賽銭をあげる。地区内を巡行した麦わら舟は、薄暗くなる頃、
五料橋下流の利根川の河原に降り、世話役の大人によって担がれて川に入り、船首を下流に
向けて流される。このように地区内を巡ってから麦わら舟を川に流すのは、地区内の災厄を
舟に託し遠くへ流すためだといわれている。流した舟がつかえたところは堤防が決壊すると
伝えられ、できるだけ下流に流れていくとよいとされた。