銀製雛道具
ぎんせいひなどうぐ
概要
12代鍋島直映夫人禎子(旧福岡藩主黒田家より嫁)所有の銀製雛道具。高貴な女性が乗る女乗物や箪笥・長持・挟箱・行器・茶弁当・唐櫃など、いわゆる旅道具が揃っている。この他にも文房具、化粧道具、喫煙具、飲食具、茶道具、楽器、置物など、大名家の姫君の婚礼調度をそのままミニチュア化した様々な調度が現存しており、その数は170点以上にのぼる。いずれもたいへん精巧に作られており、松竹梅や牡丹唐草、鶴や蝶などの模様が線刻され、引き出しや蓋が開閉できるようになっている。純銀で小さく精巧な雛道具の需要層は主に上層階級であり、国内の類似品としては徳川宗家や近衛家、有馬家や宇和島伊達家など将軍家・公家・大名家伝来のものがわずかに知られている。