紀伊大谷古墳出土品
きいおおたにこふんしゅつどひん
概要
大谷古墳は、紀ノ川流域の右岸、和泉山脈の南麓に立地する前方後円墳で、本件は内部主体の組合式石棺【くみあわせしきせつかん】の内外から出土した副葬品の一括である。遺品は、装身具類、武器類、馬具類などに大別できるが、特に大陸的要素をもつ精緻な馬装具が注目される。多数の鉄小札を綴合わせた馬甲、馬頭を覆う上端に立飾りをつけた馬冑は、わが国古墳出土の遺品として特異なもので、大陸的色彩の強いものである。わが国の騎馬文化の実態をみるうえに欠くことができない。