三次鵜飼の民俗技術
みよしうかいのみんぞくぎじゅつ
概要
江戸時代前期に確立した三次鵜飼はその技術を現在まで途絶えることなく継承・発展させた。鵜匠と舵子と鵜が一体で繰り拡げる妙技,鵜の飼育・訓練の技術は父子相伝で今に伝えられている。
鵜匠制度で保護されてきた長良川鵜飼などと異なり,三次鵜飼には多くの漁獲を得るため編み出された鵜飼技術の変遷過程が認められる。鵜船を改良し操業域を拡大させ,篝火を松明から苧殻へそしてカーバイトに替えて漁獲量を上げた。日本一長いとされる手縄で6~7羽の鵜を操る技術や,複数の操船法を開発したのも漁獲を上げるための工夫であった。鵜を飼育・訓練する技術にもそれが窺える。