建長寺山門
けんちょうじさんもん
概要
建長寺は,臨済宗建長寺派の大本山で,建長3年(1251)の創立になる。境内は,総門,山門,仏殿,法堂を一線上に並べ,最奥部に方丈と池を配している。
鎌倉時代に宋様式の本格的な禅宗伽藍を整え,室町時代後期には寺勢の衰えた時期もあったが,近世を通じて諸堂再建の努力が払われた。現在の山門は,安永4年(1775)の建設になる。棟梁は,建長寺大工である河内長兵衛が務めた。
禅宗様を基調とした三間二階二重門で,下層を吹き放し,上層内部には仏壇を備え,屋根は入母屋造銅板葺で,二階正面中央には軒唐破風を設ける。
建長寺山門は三間二重門として東日本最大の規模を誇り,建長寺の近世伽藍再興の集大成といえる重要な建築である。
吹き放しの下層は開放感と力強い造形をみせ,上層は深い軒と軒唐破風によって重厚感を創りだしており,建長寺大工の力量を示すものといえる。