虹澗橋
こうかんきょう
概要
虹澗橋は,大分県南部のほぼ中央,野津町と三重町の境を流れる大野川水系三重川に架かる,石造単アーチ橋である。地元の豪商三人が架橋を決意し,石工大野織平の設計により,文政4年(1821)1月起工,同7年(1824)6月に竣工した。
橋長31.0m,幅員6.1mの規模で,アーチは径間25.1m,ほぼ半円形をしている。渓谷の岩盤を基礎地盤とし,躯体及び高欄には,大野川水系で採取が容易な阿蘇熔結凝灰岩を用いている。
虹澗橋は,建設当時,石橋として日本一の径間長を誇っていた。それまで九州において小規模に留まっていた石橋架設の技術的限界を脱したものであり,19世紀中期以降,大分・熊本を中心に建設された石造大アーチ橋の原点に位置づけられる。