旧額田郡公会堂及物産陳列所 旧額田郡物産陳列所
きゅうぬかだくんこうかいどうおよびぶっさんちんれつじょ きゅうぬかだぐんぶっさんちんれつじょ
概要
旧額田郡公会堂は,当初額田郡の公会堂として大正2年に建設された。旧額田郡物産陳列所は同年に旧公会堂と対面した位置に建てられ,昭和36年に現地に移された。現在,公会堂は岡崎市郷土館,物産陳列所は同収蔵庫棟として利用されている。
旧公会堂は吉田栄蔵の設計で,会堂棟,通用玄関棟,便所棟からなり,中央に櫛形ペジメントを設けたルネサンス様式的建築構成になる。旧物産陳列所は,妻面にハンマービームを用いたスティックスタイルを基調とした建築で,旧公会堂と対照的な意匠とする。
旧額田郡公会堂及び物産陳列所は,我が国における最初期の郡立の公会堂・物産陳列所建築であり,両者が一組で現存する数少ない例として貴重である。
また,地方都市における公共建築の近代化を示すとともに,地方における西洋建築の様式的・技術的修得過程の達成度を示す建築遺構としても意義が認められる。