絹本著色十王図〈陸信忠筆/〉
けんぽんちゃくしょくじゅうおうず
概要
わが国にもたらされた陸信忠【りくしんちゆう】の十王図は、その数少なくないが、いずれも南宋時代終りから元時代の初め頃、中国寧波【にんぼう】附近の仏画工房の作と考えられ、当時における仏画制作の状況を示すものとして注目される。またわが国の十王図に影響を与えたものとして重要な意義をもっている。
本図は類品中、画面もより大きく、描写も丁寧でかつ優れ、陸信忠筆十王図の重要な一作にあげられる。もと紀州有田郡南村西法寺に伝来したものである。