画文帯四仏四獣鏡
がもんたいしぶつしじゅうきょう
概要
白銅製。鏡面には反りがあり、総体的に漆黒色を呈し、緑錆をおびた部分がある。鏡背の文様は、内区と外区から構成されている。外区の画文帯の縁には菱雲文をめぐらし、内側に禽獣を配している。内外区は、二条の突起帯と外行鋸歯文で区画され、これに沿って半円、方形帯が交互に配置され、方形内には四文字があり、共に十二か所に鋳出されている。内区中央の円座鈕は大きく、これを中心に、四頭の細長い獣形と四仏を四方に配している。本鏡の出土地は不明であるが、古く河内国金剛輪寺に所蔵されていたものである。いわゆる四仏四獣鏡の発見例は六例があるが、図様、鋳上がり、保存状態が良く、この形式鑑鏡の白眉である。