福住旅館 金泉楼
ふくずみりょかん きんせんろう
概要
福住旅館は,箱根湯本の老舗旅館で,早川に面している。北の萬翆楼は明治11年中に南の金泉楼は明治10年6月までに,それぞれ竣工している。
構造はともに一・二階を木骨石造とし,三階は漆喰塗仕上げの土蔵造で,寄棟造,桟瓦葺である。内部意匠は各室とも想を凝らしており,奇巧性に富んだ意匠や仕掛けが随所に見られる。
福住旅館の萬翆楼と金泉楼は,二棟間の中央に玄関を設ける建築構成や,三階をひとまわり小さく造る階層構成に特徴がある。
これらは,ともに明治初期の木骨石造建築の技法を伝える遺構として,また数少ない擬洋風建築として重要である。