檜皮採取
ひわださいしゅ
概要
檜皮採取の技術は、八〇年から一〇〇年生以上の檜の立木から、樹皮である檜皮を剥ぎ取る技術である。剥いだ檜皮は一定の長さに切り揃えて結束し、檜皮葺業者に引き渡す。このような檜皮採取の技術者を原皮師【もとかわし】と呼んでいる。原皮師は檜の立木の下部からヘラを入れ、順次上方にめくり上げ、麻縄を巧みに使って足掛かりとし、高い木では二〇メートル以上まで登り、皮を剥ぐ。自由に木を登り降りし、木の上で皮を剥ぐには高度な技術と熟練が必要である。
檜皮葺の仕上がりや耐久性は、材料の檜皮の良否に負うところが大きく、檜皮採取は檜皮葺建造物の保存に欠くことのできない重要な技術である。近年では後継者が激減し、現業者も高齢化が著しいなどの理由により、檜皮の採取量の減少を招くなど大きな問題となっており、早急に技術の保存と後継者の育成を図る必要がある。
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国指定文化財等データベース(文化庁)