大善寺の藤切り祭
だいぜんじのふじきりまつり
概要
本件は、山梨県甲州市勝沼町にある大善寺で毎年5月8日に行われる。役行者が金峯山で大蛇を退治したという故事に由来する祭りで、総代と世話人を務める柏尾地区の家々と、大善寺をはじめ近隣の真言宗寺院の僧侶たちが参加して行われる。祭りに登場する修験者は、それらの寺院に属する僧侶たちである。
祭りは、藤蔓で作った大蛇を行者堂で供養して神木に吊す天狗祭をはじめ、山岳修行の所作や入山の儀礼、法力比べなどが修験者たちによって行われ、最後に大蛇退治の藤切りとなる。役行者役の修験者が神木によじ登って藤蔓の大蛇を切り落とすと、それを境内に集まった人たちが競って奪い合う。藤蔓は、除災や病気平癒、開運などをもたらすとされ、家に持ち帰って1年間、家のお守りとする。かつては、藤蔓を引き合い、その勝敗で一年の吉凶を占ったと伝えられている。
(※解説は選択当時のものをもとにしています)
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