喜如嘉の芭蕉布
きじょかのばしょうふ
概要
芭蕉布は、糸芭蕉の繊維を糸にして織った布で、沖縄、奄美諸島の衣料として古くは盛んに作られた。そのうち沖縄県国頭郡で製作されていた日常衣料を主とする芭蕉布製作の伝統が、現在、同郡喜如嘉を中心にした地域で婦人達の協同作業によって伝承されている。
喜如嘉の芭蕉布は、テカチ・染・琉球藍染・木灰の使用など、すべて天然の材料によって手仕事で製作されており、繊維の粗剛な平織物ながら、特別な魅力を具えた織物として今日声価が高い。
旧来は一般の自給衣料として縞・無地に限られていたのが、明治時代に絣をとり入れて商品化を計ったなどの経由もあって現在では絣が多く織られている。手くくりの手法による絣は、伝統的な沖縄の絣の特色をよく伝えており、糸芭蕉の栽培から織物の完成まで一貫して製作に当っている点とともに、伝承の古格がきびしく守られている。
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