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建築教育資料(京都帝国大学工学部建築学教室旧蔵)

けんちくきょういくしりょう(きょうとていこくだいがくこうがくぶけんちくがくきょうしつきゅうぞう)

概要

建築教育資料(京都帝国大学工学部建築学教室旧蔵)

けんちくきょういくしりょう(きょうとていこくだいがくこうがくぶけんちくがくきょうしつきゅうぞう)

歴史資料/書跡・典籍/古文書 / 明治 / 大正 / 安土・桃山 / 江戸 / 飛鳥 / 奈良 / 平安 / 室町 / 昭和以降 / 鎌倉 / 南北朝 / 近畿 / 京都府

京都府

古代~現代

2653点

京都府京都市左京区吉田本町

重文指定年月日:
国宝指定年月日:
登録年月日:20060331

国立大学法人京都大学

登録有形文化財(美術品)

 京都帝国大学は明治三十年(一八九七)勅令第二〇九号をもって京都に設置された、東京帝国大学に次ぐ日本で二番目の帝国大学である。大正三年(一九一四)に五分科大学となったが、同八年の大学令の改正によって分科大学は学部と改称され、それに伴い、工科大学が工学部となる。建築学科はその翌年に設立されるが、その準備段階から各種の資料が収集され始めている。昭和十一年までに、建築学教育に資するために収集した資料群には以下のようなものがある。
 第一に石膏模型である。欧米の建築物の室内装飾を石膏模型としたものが中心であるが、そのなかには大正十二年に購入されたフランク・ロイド・ライトの作品である帝国ホテルの一〇〇分の一石膏模型、活動館五〇分の一石膏模型などが含まれている。第二に建築模型である。これには大正十一年購入の法界寺阿弥陀堂の一〇分の一模型や枢密院鉄筋模型などがあるほか、京都・奈良の古寺の柱模型などを含む。第三に実際に建築を学ぶ上で欠くことのできない標本や素材などがあり、建築石材、建築用金具、建築用タイル、硝子、建具標本、外国で用いられた建築道具類、白蟻害標本などといった資料をあげることができる。これらはそれがもたらされた時点での建築学が示した関心の在り方を知る好資料ともなっている。第四には工学部天沼俊一【あまぬましゅんいち】教授が収集した古瓦コレクションがある。天沼氏は建築学科設立時に助教授として建築史を担当した。研究テーマである日本、朝鮮、インドなどの古建築研究に携わる傍ら、古瓦の蒐集に努め、その範囲は統一新羅などの朝鮮半島の瓦や渤海を含む中国の古瓦のほか国内各地の古代から近代に至る瓦に及んでいる。とりわけ寺院の解体修理の際に屋根からおろした瓦など完形のものが存在するなど、考古学、建築史などの研究に大きな素材を提供している。天沼教授は退官に際して昭和十一年、建築学教室に教育資料としてこれら古瓦コレクションを寄贈した。
 このように、本建築資料類は日本のみならず、世界の建築史研究および教育にとっての基礎的な資料群であり、現在も建築学棟で常時陳列されて学生の教育に資している。本資料が建築史・文化史建築教育に寄与するところは大きい。

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