饕餮〓鳳文方尊〈文字六/〉
とうてつきほうもんほうそん
概要
口の大きく朝顔形に開いた方尊である。器の四方と器腹以下にはその中央に顕著な稜飾があり、四方のものの先端は口辺より反転している。器面に表わされた饕餮・〓鳳などの文様の表出はきわめて重厚であるが、地の雷文は沈んでいる。内底に「榮子作寳尊彝」の銘がある。
両者ともに西周時代青銅器の優品である。しかして銘文・文様をはじめ細部の技法に至るまで同様で、同時に鋳成されたものと推定される。なおまたその保存状態は埋蔵の所をも同じくしたかと思わしめる。
尊・罍・方彝はいずれも酒を盛る器で、尊は口が朝顔形に開き、罍は口がせばまっている。方彝には四注造りの屋根形の蓋がつく。