船佐・山内逆断層帯
ふなさやまのうちぎゃくだんそうたい
概要
船佐逆断層は三次市の西方10キロメートルの地点にある。断層面は走向北70〜80度西、傾斜北50度で、花崗岩が北から南に向って移動している。その下には新第3紀層及びその上部に推積した鮮新-最新世の礫層があって、断層運動が極めて新しい時期に行われたことを明かに示している。この関係は、瀬戸内海沿岸地方の地形発達史を説明する上に極めて重要なものと認められる。
山内逆断層は三次盆地の東北部にあって、東西方向の新しい逆断層である。断層面を境として新第3期紀層の頁岩の上に花崗岩が乘り上げ、下部の地層はその為にいちぢるしい変位を受け、水平に近い地層が局部的に褶曲し、逆転している個所もある。この運動は北から南に向けて行われ、その結果として南向の低い断層崖が形成されている。新しい時期に起った変位による地形と構造との関係を明白に示す点において貴重な実例である。