紙本淡彩山水図〈彭城百川筆/延亨四年の年記がある/六曲屏風〉
しほんたんさいさんすいず
概要
彭城百川【さかきひやくせん】(一六九七/元禄十年-一七五二/宝暦二年)は日本南画の先駆者の一人として、祇園南海や柳里恭と共に南画史上その名は高い。各務支考門下の俳人としても活躍していただけに、俳画を思わせる絵を描く一方、元明画の模倣もしきりに行なっている。本図は延享四年、百川五十一歳の筆になるもので、唐伯虎や盛茂燁の筆意に倣【なら】ったことが款記【かんき】により知られるが、その影響は、画跡の上では必ずしも顕著でなく、むしろ百川独自の描法をうかがうべきであろう。日本における初期南画の方向を位置づけた作品として高く評価しうるものである。