夏島貝塚
なつしまかいづか
概要
夏島は三浦半島の東京湾に面した海岸寄りに所在する。かつては孤島であったが、旧日本軍の基地となって以来、埋め立てが行なわれ、現在は陸続きになっている。貝塚は島の南部と東斜面の3か所に存在する。昭和25年、30年の2回にわたり発掘調査が実施され、日本最古の貝塚の一つであることが確認された。
貝塚は関東ローム層上に堆積し、繩文時代早期の遺物が層位的に検出され、とくに下層から出土した土器の一群には夏島式土器の名称がつけられ、その標準遺跡となった。貝層下のローム層上面から炉跡が発見され、遺物散布地も認められるので、住居跡の存在することが想定される。
また、下部貝層の貝類、木炭片による放射性炭素(C14)の年代測定の結果、カキの貝殻は9450年±400年、木炭は9240年±500年以前という数値が計測され、学会で有名になった。本島は当時の生活環境をよく保存しているので、島全域を指定するものである。