正法寺 唐門
しょうぼうじ からもん
概要
正法寺は浄土宗に属し、江戸時代には尾張德川家の菩提寺として栄えた。伽藍の中心を構成する本堂、大方丈、唐門は、尾張藩主義直の生母、相応院によって建立されたもので、御成に備えた形をとっている。
本堂は桁行五間、梁間七間のやゝ規模の大きい堂で内陣の円柱や組物に施された極彩色の文様は、他の荘厳具とともに堂内を華麗に飾る。 大方丈は金碧障壁画のある六間取の方丈形式で、上段の間を設けて対面所としての機能も備えている。唐門は屋根を前後唐破風造、側面入母屋とする類例の少ない門で、御成門としての格式の高さを示している。
この三棟の建物は近世初期の浄土宗寺院の遺構として貴重であり、同時期の建立で整った伽藍が構成されている点も高く評価できる。